本編
青梅と深緑から少し離れた開けた空間。地理的条件は緋織と緋鞠が、実力は水無月の方が格段に上。決してフェアとは言えないこの状況で、果たしてどのような決闘が繰り広げられるのか。「お前らはどんな風にいたぶってあげようか?」「「実力の違いを見せつけ…
爆風の跡に散らばる血痕。転がる死体や地面に刺さる刀や杖。戦場、それ以外の言葉では形容し難い空間。その中央で、またも命を懸けた決闘が行われている。1人は刀、1人はお札。互いの眼はバッチリと獲物を捉えていた。
「貴様、餓鬼のくせにこんなところで何をしている?さっさと帰ってママと一緒に昼寝でもしてな!」「負け犬の遠吠えだね。既にボロボロじゃないか。出直してくればー?そうしたところで僕には勝てないけど」 桜樹を逃がした後、数人で数十の相手をし続けてい…
どこかの屋敷の庭で、桃色の髪飾りを付けた黒髪の男性……否、女性とも見て取れる中性的なその人物は、いつもと変わらぬ日々を過ごしていた。 いつも通り手入れされた大層豪華な庭を、いつも通り眺めながら歩く。 しかし今日は1つだけ、いつも通りとはいかない…
「なんで探すのに30分もかかるの!!すぐそこじゃん!!」 見事にフラグを回収し、船の持ち主を探すのに3倍の時間を費やした4人。 歩いて10分もかからない目的地を目指して、周りをぐるぐるとしていたのだ。 「お主が途中から反対方向を目指したからであろう…
「王女様がねえ。やーっと探し当てたのな、俺らの存在」 あれから数十分。 なんとか説明して理解して貰う事が出来た。 最後は詩貴が何か言っていたようだが……。 「やっと、とは?」 「んん?そろそろバレても良いんじゃねえかなって思っただけだ。幻石の在り…
「そうだ!俺様が乙人!悪い奴らは俺に任せな!」 彼はそう言って決めポーズをとった。 「決めポーズもダサ……」 が、ベネジクトのお眼鏡にはかなわなかったようだ。 「さっきから聞いてりゃてめえ、俺の悪口ばっかり言いやがって!!」 「ちょっと!2人とも…
昼過ぎ、約束の時間。 ベネジクト、白姫、そしてレストの順に、待ち合わせの場所に指定された大きな木の下に集まっていた。 残るは真騎なのだが……。 「昼過ぎってだいぶ大雑把よねー……真騎、何かあったのかな?」 「彼奴にしてはちと遅いのう。我ですら来て…
異世界に迷い込んだ少女は、そこで知り合った新しい母親を亡くし、義兄も亡くした。 残ったものは絶望と悲しみだけ。 それが力となって創り出された5つの石を、人々は幻石と呼んでいる。
「アフラが泣くの初めて見た。アフラでも泣くんだね」 「う、うるせーぞリエ!!俺が感情のねぇ奴みたいに言うな!!」 「感情はあるよー。だっていっつも怒ってるし」 「あ"ぁ"!?」 「ほーらもう怒ったー」 「あんた達、そこいらでやめときなよー」 妹か…
幻石が創られたのは、今から約2000年以上も前のこと。 日本では鎖国が始まる頃だ。 鎖国を開始した年を約1640年だとすると、現在の日本は約4000年ということになる。 その頃、フランスからの船が日本に到着した。 そしてその船の観光客の中に、2人の兄妹が乗…
顔に2つ、獣の爪でつけられたような痣をもつ男性が、白姫を見つめながら話す。 「会いたかったよ、白姫」 大粒の涙と笑顔をこぼしながら白道が放ったその言葉は、たった一言であったはずなのに、皆をさらに混乱させた。 そして、風は2人の間を通り抜けた。
「少し尋ねたいのですが、幻石の守り人というのをご存知ですか?」 「おぉ、知っとるぞ。なんせよぅ遊びに来んしゃる」 手がかりが1つ、増えるかもしれない。
ようやく家を離れたベネジクト達は、ワンエリアの出口へと向かっていた。 ベネジクトのみがぶつぶつと愚痴を呟いている。 そんな時。 「ベネジクトさん!待ってください!」 中年の男性に声をかけられ、足を止める。 「今まで申し訳なかった……これからはみん…
「ベネジクトさん……もしかしてあなたは!?」 「そうよ、火、草、水、光、闇……うちはこの5つの属性全部使える」 普通、1人が使える属性は3つまでだと思われていた。 ベネジクトが覚醒する前までは。
努力を重ねた少女は、やがてその才能を開花させた。 しかしそれは天才だからと、努力を褒められることはなかった。 感情を抑え、彼女は今日もひたすら努力する。
とある夫婦にできた子供は、魔法の素質を持っていた。 少女はすくすくと育ち、やがて魔法に興味をもつ。 自分も使いたいと毎日毎日練習した。 しかしある日をきっかけに、魔法を恨むことになる。
この世界には魔法が存在する。 属性は、火、草、水、光、闇の5つ。 1人が使える属性は3つまで。 そう思われていた……。
ここは6つの島からなる、地球とは違うもう1つの世界。 この世界には昔から伝わる伝説がある。 時、空、知、意、感を司る、それはそれは綺麗な5つの石があると。 この5つの石を皆は幻石と呼ぶ。